- 中古ログハウスのリフォーム実例
ログハウスに限らず、最近中古の物件を購入し、リフォームやリノベーションをして住んでいる方や住もうと検討している人が増えたと思います。
中古のボロボロの物件を見ると
本当に住めるようになるのかな?
とか、
どんな工事をするんだろう?
と疑問に思うことも多いと思います。
そこで、築18年のボロボロだった中古ログハウスを購入、リノベーション&リフォームをし、訪れる人が全員「素敵ですね」と言ってくれるような最高の住み家を手に入れた実体験をもとに、ボロボロだったログハウスを如何にして再生していったのかをお届けしたいと思います。
- 中古の物件をどうリフォームしていいかよくわからない
- 実際のリフォーム実例が見てみたい
- 屋根のリフォームを検討している
- 床の断熱を検討している
- 床暖について詳しく知りたい
こんな方、必見です!
はじめに【おさらい】
私たち夫婦はひょんなことから
朽ちかけた持ち主不明のログハウスを購入しリノベーションをして住むことに決めました。
(詳しくはこちらの記事で)
そして、リノベーションの為に住宅ローンを借りようとした時の紆余曲折を経て、
(詳しくはこちらの記事で)
いよいよ始まったリノベーションで間取りの変更を大幅に行いました。
(詳しくはこちらの記事で)
今回は、ボロボロに朽ちてしまっているログハウスの再生方法をお届けします!
リフォーム内容
実際に行ったリフォーム内容はこちら
- 実践① 鉄骨の再生
- 実践② 朽ちたログ壁の対処法
- 実践③ 屋根の再生
- 実践④ 床の断熱対策、床暖房設置
- 実践⑤ デッキ、外階段の再生
- 実践⑥ 玄関ドアの修繕
- 実践⑦ 室内壁のシミ取り
錆びだらけの鉄骨の再生
再生前
べあぐらハウス(我が家)は1階部分がピロティになっています。
2階部分を支えているのは鉄骨です。
この鉄骨が長年放置されていたせいで錆びだらけになっていました。
この錆びを全部綺麗に落とすなんて時間的にも予算的にも厳しいです。
かといってこのままでは見た目も酷いし、強度も心配になってしまいます。
どうしよう
そうだ!
バイク塗装の時に使っていた錆転換剤が使えるかも!!
赤錆→黒錆に転換し、錆による腐食を防ぐアイテム。
黒錆は科学的に安定しているため、赤錆と違い進行しない。また密度も高く、鉄の表面に定着するので鉄を保護する役割を担ってくれる。
こんなに便利なものがあるんだね!
しかも施工が簡単なんだよー
手順の違い
通常の手順と錆転換剤を使用した場合の手順を比べてみました。
- 錆除去剤や研磨で錆びを完全に落とす
- 防錆剤を塗布
- 塗装(今回は黒)する
- 浮き錆びのみ除去する
- 錆びの上から錆転換剤を塗布
- 塗装(今回は黒)する
パッと見では同じような工程ですが、
1番目の手順が
『錆除去剤や研磨で錆びを完全に落とす』
場合と、
『浮き錆のみを除去』する
場合では、作業効率は雲泥の差になります。
錆びている範囲が広い上に錆の状態も酷いので完全に落とそうとするとかなりの時間と労力を必要としてしまいます。
しかし!錆転換剤なら浮き錆びのみ除去すれば準備OK!
そして、更に優秀なのが、
1度塗ると新しい錆の発生を防いでくれる!!
これは採用決定!!
という訳で、錆びだらけの鉄骨の再生は、『錆転換剤』を使用することに決定しました。
大工さんたちだけでなく、自分たちや友人も手伝ってくれて皆で浮き錆び落としや錆転換剤の塗布をやりました。
再生後
浮き錆を除去して錆転換剤→塗装後の写真です。
錆転換剤を塗ってから3年以上経過していますが、全く錆が出てないです。
錆対策に『錆転換剤』は超おススメです!
朽ちたログ壁の対処法
再生前
ログハウスは、適切なメンテナンスを定期的に施していれば100年以上持つと言われています。
しかし、『べあぐらハウス』は10年以上放置されていました。
太陽の光ががっつり当たり、且つ、手入れのされていない法面から雑草に浸食されていた南西のログと床は完全に朽ちてしまっていました。
ログハウスと言えど放置してたらこんな風になってしまいます。
再生方法
中まで朽ちてしまったところは取り除き、普通は代わりのログを入れるところですが、ログを入れるのは正直大変です。
そして、朽ちていた場所は「薪ストーブを設置する予定」の場所でした。
なので、朽ちた場所に新しいログを入れるのではなく、
- 家の内側→耐火レンガ
- 家の外側→なんちゃってログ
を貼ることにしました。
なんちゃってログとは、板に丸味を付けて見た目だけログっぽくしたものです。
大工さんが1枚1枚手作業で作ってくれました。
プロの技です!
作業手順
- 朽ちている壁、床を取り除く
- 床に新しい下地を作る
- 壁に新しい下地を作る
- 内側の壁・床に耐火レンガを付ける
- 外側の壁になんちゃってログを付ける
再生後
どうでしょう!
この塗装後の『なんちゃってログ』、言われないと偽ログだとわからないですよね。
仕上がりに大満足!!
ボロボロの屋根の再生
再生前
屋根の状態は色褪せと汚れが酷く、見た目がボロボロでした。
このままじゃ
お化け屋敷みたいで嫌だーーー
リフォーム必須だね
再生方法
かなりボロボロな見た目の屋根でしたが、実は屋根の下地には問題がありませんでした。
これなら『カバー工法』が可能だって!
『カバー工法』って何??
既存の屋根材や下地材を撤去しないで、上からそのまま新しい防水シート、屋根材を重ねる工法のこと。
- 張り替えより費用が安い
- 張り替えより工事期間が短い
- 屋根の断熱・防音・防水性能が高い
- 下地の状態が悪いと施行が出来ない
- 重さが出るので耐震性が若干落ちる
- 太陽光発電などの設置が難しい
カバー工法にもデメリットはありましたが、
- 下地の状態が悪いと施行が出来ない
→下地の状態OK - 重さが出るので耐震性が若干落ちる
→ログハウスは耐震性抜群なので問題無し - 太陽光発電などの設置が難しい
→太陽光発電設置予定無し
と我が家にはさほど問題にならなかったので、『カバー工法』を採用することにしました。
屋根材について
リフォームの方法が決まって、次は屋根材を決めることになりました。
候補はカバー工法で設置可能なこの2つ。
- アスファルトシングル
- ガルバリウム鋼板
アスファルトシングル | ガルバリウム鋼板 | |
---|---|---|
素材 | ガラス繊維の基材にアスファルトを浸透させて、石粒を表面に吹き付け接着してある屋根材 | アルミ、亜鉛、シリコンで出来た、アルミ亜鉛合金めっき鋼板の屋根材 |
耐用年数 | 10年から30年 | 20年から30年 |
メンテナンス | 10年ごと | 15年~ |
特徴 | デザイン性がある 防水性に優れている 遮音性が高い | シンプルなデザイン 耐久性が高い 軽い |
耐久性を求めるなら『ガルバリウム鋼板』、デザイン性を重視するなら『アスファルトシングル』って感じです。
我が家は、完全に見た目で『アスファルトシングル』を選びました。
あの濃淡の色の雰囲気に一目ぼれでした♡
色は窓枠に合わせて深い緑色をチョイス。
再生後
ボロボロだった屋根も、見事に再生されました!
窓枠と色合いも揃えたので統一感ばっちりです。
床の断熱対策、床暖房設置
べあぐらハウス(我が家)は1階部分がピロティになっています。
べあぐらハウスの斜め上の土地に、同じ施工会社のログハウスが建設されていますが、引っ越し前にその人とお話しした時にこんなことを言ってました。
「1階部分が空間になっているから、底冷えが容赦ないよ!うちは引っ越してから床の断熱をやり直したよ。」
寒がりな私には耐えられない!!
そこで、床の断熱対策をしっかりやってもらうことにしました。
対策前
もともとの作りは、床の下に空間があり、その下に『ベニヤ板』が貼ってあるだけ!
床に全く断熱対策はされていなかったのです。
しかも、そのベニヤ板はボロボロ…。
前の持ち主さん、寒くなかったのかな?
別荘としてほぼ夏しか使われていなかったから問題なかったんだね
対策方法
この3つの対策を行いました。
- 床の下に断熱材を敷く
- ボロボロのベニヤ板→杉板に変更
- 床暖房の導入
床暖房について
どうしても床暖房は欲しい!
薪ストーブあるのに??
薪ストーブがあるので要らないんじゃないか?との意見もありましたが、極度の冷え性の私は心配で、念には念を入れて、底冷え防止に床暖房を入れました。
床暖房は必要だったか?
- キッチン
- トイレ
- 洗面所
- リビング
寒い日の朝のキッチンや、お風呂上りに髪の毛を乾かす場所の洗面所やトイレは床暖房がついていると足元がほんわかと暖かく、設置して良かったなと思いました。
反面、リビングは薪ストーブやこたつがあるのでほぼ床暖房を使うことはありません。
リビングには設置しなくても良かったかも。
床暖房の種類
我が家で採用した床暖房は電気式PTCヒーターです。
熱源が自動で温度調節をしてくれる床暖房。暖房面の一部の温度が高くなるとそこだけ発熱を抑えてくれるので、部屋の床面温度を一定に保ってくれる。
【PTCヒーターのメリット】
- 無駄な電力消費を抑えてくれるので経済的
- 設置が簡単
商品自体が厚さ1㍉にも満たないため床上げなどの工事が必要なく、簡単に設置出来ます。
我が家では、この電気式PTCヒーターを元々の床の上に敷き、その上に床暖房対応の無垢フローリング(OSMO塗装のナラのフローリング)を敷いてもらいました。
2階は床暖房無しなので檜の無垢フローリングを敷きました。
こちらも元々の床の上に敷いていきます。
対策後
1階の床の断熱対策をやった結果、3層→6層になり、しっかり断熱されることになりました。
- 合板フローリング
- 空間
- ベニヤ板
- 無垢フローリング(ナラ)
- PTCヒーター
- 合板フローリング
- 断熱材(スタイロフォーム)
- 空間
- 杉板
1階と2階のフローリングの素材が違いますが、どちらも経年変化でいい味が出てきています。
崩れ落ちたデッキ、外階段の再生
玄関につながる外階段と家の南面に設置された木製デッキは修繕不可能なくらい朽ちていたので、一から作り直すことになりました。
再生前
ソフトウッドで作ってあったデッキは手入れがされていなかったので野ざらしになっており、中までしっかり腐っていました。
階段も登れる状態ではなくまさにボロボロ。
これは酷い…
再生方法
デッキも階段も修復不可能なところまで腐食してしまっているので、塗装しなおした鉄骨を利用し、木材部分に関しては全部新しく作ることにしました。
そして、階段部分に関しては朽ちてしまったら家に入れなくなってしまう重要なパーツなので木ではなくアイアンで製作することにしました。
階段はアイアン作品の作家さんに作成して頂きました!カッコいい!!
デッキの方も朽ちてしまうのを避けるため、ハードウッドで作ってもらう予定でした。
が、なんと手違いで『ソフトウッド』で仕上がってしまいました!
えーーーーー!!
仕上がってしまったものは仕方ないので、頑張ってマメにメンテナンスして長持ちするように頑張ります!
再生後
リビング前には屋根を付けてもらいました。
階段の設置位置も動線を考えて南→東に変更。
道路からアイアンの階段が見えていい感じになりました。
メンテナンス
ソフトウッドのデッキは定期的なメンテナンスで長持ちしてくれるので、我が家では年2回デッキの塗装をしています。
面倒だと思っていましたが、浸透性の塗料を使うことでそこまで面倒じゃなくメンテナンスをすることが出来ています。
定期的に塗装しているので、5年経った今でもデッキはしっかりしています。(むしろ塗装が浸透して初年度よりいい感じになっています。)
簡単なデッキのメンテナンス方法はこちらの記事に載っています。
王道のキシラデコール
キシラデコールと同等品でお買い得なナフタデコール
玄関ドアの修繕
再生前
玄関ドアも木製だったので、外側は色も褪せていてボロボロになっていました。
取り替えようか悩みましたが、「厚みのあるいい扉なので断熱性・遮音性に優れているし、リペアして使った方がいい。」という大工さんのアドバイスが。
試しに削って塗りなおしてみよう!
再生後
試してみていまいちだったら新しい扉を購入することにして、まずは元々の塗装を綺麗に削って頂き、壁と同じキシラデコールで塗装してみることにしました。
扉の研磨は凸凹があり難しそうなのと、時間の関係でプロの大工さんにやってもらいました。
結構いいかも!
その後
リペアがうまくいったので、そのまま使っています。
リペア後2年経って、南向きの玄関は毎日紫外線にさらされだいぶくたびれてきたので、そこからは定期的に塗装をしています。
キシラデコールを使ったので、研磨の必要が無く、簡単に塗装出来ます。
木製玄関ドアの塗装方法はこちらの記事に載っています。
王道のキシラデコール
キシラデコールと同等品でお買い得なナフタデコール
壁の染み取り
ログハウスのデメリットに『雨漏りがある』と聞いたことはないですか?
セトリングの対策で建築してから数年は雨漏りの可能性があります。(全てのログハウスで起こるわけでは無いと思います。しっかりとセトリングを計算に入れて建築していれば雨漏りは怒らないのかもしれません。)
我が家で購入した中古ログハウスは、雨漏り対策が甘かったらしく、壁にたくさんの雨染みがありました。
また、ポスターや写真が飾られていたので日焼けが偏ってしまい、その場所だけ白くなってしまって浮いている箇所も目立ってました。
対策方法
壁の染みをどうやって綺麗にするか、悩みました。
- 対策候補その①ログ壁の張り直し → 不可能
- 対策候補その②薬剤を使って染み抜き → 染みが古く濃いので綺麗に落ちない可能性大
本命の薬での染み抜きが無理だと大工さんに言われて大ショック!
そんなーーーー💦
よし、おいらに任せて!
なんと、べあが友達と一緒に家じゅうの壁をサンダーで綺麗に削ってくれました!
- 対策候補③サンダーで家じゅうの壁を全部削る
対策前後
一番酷かったのは窓付近。
全ての窓が雨漏りにより染みだらけになっていました。
しかし、念入りにサンダー掛けをして雨染みが綺麗に無くなりました!
ポスターや絵が飾られていた壁は、その部分だけ日焼けしていないので色浮きしていました。
そんな壁もサンダー掛けでポスター跡が綺麗に消えています。
家の角の壁にも雨の染みがありました。
ここもサンダー掛けで綺麗になりました。
約3ヶ月間、休日は朝から晩までずーーーっとひたすら家じゅうの壁を削ってくれたので、どの壁も新品同様綺麗になりました。
本当にありがとう♡
活躍した道具たち
壁のサンダー掛けに大活躍!
室内のサンダー掛けはこれがあると木の粉が飛び散らなくて便利です。
雨漏りについて(後日談)
外壁を色塗りする際にコーキング剤を使って雨漏り予防をしましたが、それだけでは雨漏りを完全にシャットアウトはできませんでした。
引っ越してからも窓周辺の雨漏りに頭を悩ませていましたが、家の中からの修繕で今では雨漏りゼロになりました。
その修繕方法は後日別の記事に書こうと思います。
終わりに
リフォームを通して思ったこと
ひょんなことから中古ログハウスを購入し、大工さんの力を借りながら自分達も一緒にリフォーム再生をしてみて思ったことがあります。
家は
朽ちてしまうと再生が困難or無理なことが多い
です。
ログハウスに限らず、家は手をかけてこまめに手入れをしてあげれば再生不可能にあるくらい朽ちることはほとんど無くなります。
せっかく暮らしている住まいを心地よく過ごせるように、日ごろから気にかけてメンテナンスして可愛がってあげることが大切なんだと思いました。
これからも、我が家を楽しみながらメンテナンスして、可愛がっていこうと思います♡
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